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君と鼓動が重なる時・2【進撃の巨人】

第158章 番外編《それぞれの“これから”のすごしかた》




「まさかエルヴィンがモデルの仕事をしてたなんて……」

「意外だったか?」

「いや、エルヴィンの容姿でモデルをしないのは勿体ないと思う。
……けど、エルヴィンがそういう人の目に晒される仕事をするイメージが無くて。」

「俺もするつもりはなかったよ。」

「スカウトされて仕方なく始めた、ってこと?」

「スカウトされて始めたのは確かだが、仕方なくではない。
これは俺が望んで始めた仕事だ。」

「するつもりはなかったのに、望んで始めたって……」


それは矛盾してないか?と、頭の上には未だ疑問符が飛び回っているままだ。


その時、エルヴィンの指先の感触を頬が捉え、自然とエルヴィンの方に視線を向けた。




「痺れを切らしたんだ。」

「……どういうこと?」

「なかなか凛に出会えないから。
これはもう、こっちから探すだけじゃダメだな、と思って。」


エルヴィンのその一言で、すぐにエルヴィンがモデルの仕事を始めた意図を察する。

思わず唾を呑むと同時に、じわじわと血液が身体を上昇し始める感覚に囚われた。




「こうして雑誌にでも載れば、凛の方から俺を見つけてくれる可能性だって出るだろう?
それに、撮影で各国を周ることもあるから、俺も色々な場所を探しやすい。」

「……もしかして、フリーのライターやカメラマンをしてたのも……」

「ああ。
君を探すのに便利な仕事だったからだよ。」



モブリットといい、リヴァイといい、エルヴィンといい……

三年間ピクリとも動かなかった私の心の内は、彼らに再会してから揺さぶられてばかりだ。



エルヴィンとリヴァイが似ていないようで似ているところも多々あったのは前世からだが、まさか仕事ですら、ここまで同じようなことを思って行動していたなんて……


込み上げる色々な感情を心で噛み締めたまま、頬に当てられたエルヴィンの手を、いつの間にか強く握り締めていた。

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