第158章 番外編《それぞれの“これから”のすごしかた》
「どうせそんなことだろうと思っていたが……
お前は相変わらず過ぎるだろうが。」
「……すみませんでした。」
リヴァイはふすまを開けてすぐ、反射的に、と言っていいような状態で謝る凛を目の当たりにして、思わず小さく吹き出した。
設定した制限時間を過ぎていちゃついていたことについて、説教でもしてやるつもりでいたが、この“相変わらず”と言わずにはいられない行動ばかりしている凛を見ると、どうしても怒る気にはなれない。
惚れた弱み、とはこのことなんだろうか。
「時間だ。これからって時に悪いな、モブリット。」
「い、いえ……こちらこそすみません。」
上擦った声を出したモブリットは素早く立ち上がると、凛に軽く弱々しい目配せをして部屋を出て行った。
モブリットが部屋を出たと同時に、少し乱暴に凛の隣へ座ってみると、凛の肩が小さくビクつく。
これから説教が始まることを予測してるな……
いつだったかもこんなことがあった。
……ああ、こいつがルールを制定してすぐ、エルヴィンと寝た次の日か。
あの時のことを思い出し、また勝手に顔は緩んだ。
「……リヴァイ?」
不思議そうに顔を覗き込まれ、凛の匂いが目前に近付く。
衝動的に引き寄せて抱きしめると、既に火照っている体温が全身で感じられた。