第158章 番外編《それぞれの“これから”のすごしかた》
「大丈夫。
凛が本当に俺のことを好きになってくれるまで、絶対手は出さない。」
「……さすが魔法使いになろうと思ってただけあるね。」
リヴァイの言葉を引用すると、モブリットは盛大に吹き出した。
「仕方ないだろう。
凛以外の女の子じゃ反応しないんだよ。」
「……絶対そんなことない。」
「確認してみる?」
不意に握られた手が、モブリットの下半身に近付けられる。
思わず指先が硬直したとき、モブリットはまた小さく笑い声を漏らした。
「凛。本当に、いい加減拒否することを覚えてくれないと。」
さっきから墓穴を掘り続けている自分が、とにかく恥ずかしい存在でしかない……
この三年間、自分から男の人に触りたいと思うことなんてなかった。
なのに今、モブリットのどの部分でもいいから、とにかく触れていたい。
握られたままだった手を握り返し、モブリットの胸元に顔を預けた。
「……凛?」
どんどん早くなっていくモブリットの心拍音が心地いい。
さっきまで私には余裕そうな顔を見せていたくせに、実際はこんな風にドキドキしてくれてたんだと思うと、嬉しくて仕方がなかった。
この匂いも、この体温も、やっぱり“モブリット”のままだ。
モブリットの胸元に顔を埋めたままで腰に手を回し、ぎゅっと強く抱きしめた。