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君と鼓動が重なる時・2【進撃の巨人】

第151章 変わらぬ想い




モブリットは軽い湯浴みを済ませ、自室へ戻る為に薄暗い廊下をゆっくり歩く。


ハンジさんにあんな風に心配されたものの、今日も眠れる気がしない。

訓練に訓練を重ね、自分を痛めつけるように厳しいトレーニング内容を課しているにも関わらず、身体は疲れていても、それが睡眠欲に繋がることはなかった。



……凛がこの世界を去った日から、ずっとそうだ。



考えないようにしても、目を瞑ればどうしても、凛と過ごした日々ばかりを思い出す。

思い出してしまえば、もうそこからはそれの繰り返しだ。

そのループから抜け出すことが出来ずに、一晩中意識を手放すことが出来ずに夜が明ける。


それでもふと思い出すのは凛の笑顔で、きっと最後に笑顔で話せたのが良かったんだろうと思いつつも、最終的には、あれが最後になるなんて……という絶望感ばかりが込み上げていた。





……だが、そろそろ本当に眠らないとマズいだろう。


疲労に対して睡眠が足りていないことは、分隊長にも筒抜けなくらいに明らかだ。



憂鬱な足取りで部屋の前に辿り着いたとき、後ろから遠慮がちに肩を叩かれ、振り向いた。

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