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君と鼓動が重なる時・2【進撃の巨人】

第151章 変わらぬ想い



「会議、続けるぞ。」

「「「「はい!」」」」


リヴァイは席に着き、再び会議書類を手に取って話を始める。

そして、もう片方の手でティーカップを持った。






……やっぱりな。



オルオはその様子を盗み見ながら、自然と眉間に皺を寄せる。

些細なことかもしれないが、長い間兵長を観察し続けてきた俺にとって、この変化は重大過ぎるものだった。



兵長の、ティーカップの持ち方が違う。


いつも兵長はカップの取っ手は持たない。

それなのに凛さんが兵団を去ってから、兵長はカップの取っ手を掴むようになっていた。



“幼少期に必死で手に入れたティーカップの取っ手を持ったら、カップ部分が落ちて割れたことがあり、それ以来トラウマになり、カップ部分を持ってお茶を飲むようになった”


ということを、エルヴィン団長にこっそり教えて貰ったことがある。

確かな筋の情報だし、その情報通り、いつ見ても兵長はカップ部分を持って紅茶を飲んでいた。


それなのに、凛さんが居なくなった途端、この有様だ……

きっと相当動揺しているか、傷心しているか……

そんなことすら考えられない程の虚無感に苛まれているのかもしれない。


訓練時はいつもと変わらない…いや、いつも以上にストイックに訓練に励んでいるように見えたが、それもどこか無理をしているように感じてしまう。



……兵長、やっぱり凛さんと離れ離れになったことが、相当ショックだったんだろうな……


書類に視線を落としている兵長をぼんやり眺めながら、不意に込み上げて来そうになったものを留めようと、目頭を押さえた。

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