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君と鼓動が重なる時・2【進撃の巨人】

第131章 心の帯を緩めて



「でも、仕事中だからね。」


情動を抑える様に、軽く触れた唇を離し、視線を机の方へ向ける。

無理矢理にでも意識を逸らさないと、どんどん先へ進みたくなってしまう。



「俺は今休憩中だけど。」

「え、休憩中なのに、ハンジの書類手伝いに来たの?」

「そうでもしないと、この山は片付かないだろう?」


「モブリットが言ってた言葉の意味が今凄くよく分かったよ……」

「何の話?」


机の上に山積みにされた書類を仕分けだしたモブリットの横に並び、それを手伝いながら再び口を開く。



「調査前は忙しいから、そもそも“する暇”がない、って言ってたでしょ?」

「ああ……言ったね、そんなこと。」

「確かにハンジの色々な面倒見てたら、する暇なんてないよ。」


そう言いながら自分の出来そうな書類を手に取り、軽く枚数を数えようと思い立つが、数えるだけでもかなりの時間を消費しそうな気がして、とりあえず諦める。

近くにあった皺だらけの封筒に、殆ど無理矢理の状態で書類を押し込み、結構な重量感を覚えながら小脇に抱えた。

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