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君と鼓動が重なる時・2【進撃の巨人】

第124章 純粋で明白な感情



「君が男で迷うのも無理はない。
この世界は魅力的な男で
溢れているようだからな。」

この世界の男である俺が言うのもなんだが、
と、悪戯っぽく笑うエルヴィンを見ても、
涙腺が刺激されることは避けられない。



「君は気に病みすぎだ。
そんな様子だから、突然睡眠時間が長くなったり
情緒不安定になったりするんだろう。」


エルヴィンは私が泣いていることに
気付いているんだろう。

視線を合わせることも、身体を離すこともなく、
ただ静かに背中を撫でてくれていた。




「女性関係にだらしなかった俺に、
君の気持ちが完全に理解できる訳ではないが、
それでも今の君は苦しみすぎだよ。
この複数人の心を掴んでいる状況を、
もっと楽しんで欲しいくらいだ。」


「……それこそ悪女じゃん……」

「いいよ。悪女にでも魔女にでもなってくれ。
それでも俺は君に惹かれ続ける自信がある。」


エルヴィンの体温が
どんどん自分の内側に入り込む。

鼓動の音に耳を澄ませば、
自分の心音と重なりそうなくらいに速い。



「今、さすが変態!と思ったか?」

「思わないよ。
それ、自虐的な発言過ぎるからね。」


冗談めかした発言に、思わず頬が緩む。

やっぱりエルヴィンは
私のことをよく分かってくれている。


エルヴィンの胸元でごしごしと涙を拭き、
少しだけ顔を上げた。

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