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君と鼓動が重なる時・2【進撃の巨人】

第115章 熱のせい





意識が朦朧とする。


さっきまではここまで酷くなかった。

凛が来たことで気が緩んだんだろう。


こうして怒られながらでも、
凛の声を聞いているだけで安心感を覚えた。


弱っている姿を見せたくはなかったが、
今ここに凛が居てくれることを
心底嬉しいと感じる。



そんなことを思いつつ、
ふと凛に視線を向けると、
強引に唇を奪われ、ベッドに押し倒された。



「っ…ん!」


凛の体温が喉元を通り抜ける。


……水、か。


ここでやっと彼女の行動の意味に気付き、
それでも身体はまた熱を持った。




「……もう一回。」

「ま、待て…風邪が移るといけない」

「もう今さらでしょ。」


端的に言葉を返され、
すぐにまた唇が重なる。


水も何も口に出来る気がしない、
と思っていたのに、
凛から与えられる水分は、
いくらでも摂取したくなるから不思議だ。

風邪が移る、止めるべきだ、
頭ではそう思っていても、
ぼんやりとした脳内は
この行動を拒否する選択を破棄し、
全く真逆の選択肢を選んだ。



「……もっと、欲しい。」

「いいよ、」


優しい笑顔がまた近付き、重い腕が、
凛の頭を包み込むように引き寄せた。

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