第115章 熱のせい

「ミケの割には、
なかなかいやらしい作戦を思いついたな……」


「まぁミケも誰かに
教えられたのかも知れないしね。」


そう言いつつ、
さっきから気になっていたことを確認する為、
徐にエルヴィンの手を握った。



「……やっぱり。」


「……何だ？」

「熱い。エルヴィン、熱あるでしょ？」


図星だったのか、すぐに視線を逸らされる。

こんなに分かり易い反応はない。



「ミケが、
“エルヴィンが部屋を開けてくれない”
って言ってたから、前の私みたいに
変な薬に中てられたのかと思ったよ……」


「……それは大丈夫だ。」


「でも一人でどうにかしようとするのは
得策じゃないね。
取り敢えず、ベッド行こうか？」


「……まだ仕事が残ってる。」


「そうだろうと思うよ。
何せまだ朝だからね。」


残る以前に、まだ手を付ける前だろう。

エルヴィンの手を握ったまま、
ベッドルームまで手を引き連れて行った。