第3章 黒子のバスケ/高尾和成/甘
高尾side
「やっべ遅れた…!」
オレは今、クリスマスのイルミネーションで輝いている街中を駆け抜けている。
そこら中腕を組んで歩いてるカップルだらけ。
羨ましい。
バスケばかりなオレには彼女なんて……
「ちゃん!」
「あっ!和成!」
なーんてな、ちゃんといるって。
付き合って初めてのクリスマスだから、ちょっといいモンあげようと思って選んでたら遅れたってとこ。
「悪りぃ…!待ったっしょ…!」
「ううん、大丈夫。でもどうしたの?」
「ちょっとなー、真ちゃんが〝クリスマスなのに独りだから寂しいのだよ〟って泣いちまって」
「え?ホントに?」
「ホントだって。オレが嘘言うと思ってんのかー?」
「思ってないけど……」
「なーんてな、あいつが泣くわけないっしょ。選んでたら遅れちまっただけ。オレ練習ばっかで買いに行く暇が今日しかなかったからさ」
「何を……?」
「こーれ、お前に」
オレが取り出した小さな箱。
中には指輪。
ペアリングってやつ。
自分はもう装着済み。
まあポケットに手突っ込んでるからちゃんには見えてないけど。
「わぁ…!ありがとう!」
「いいって。その代わりちゃーんとつけろよ?」
「うん!どの指にしようかな……」
「決まってるっしょ!左の薬指」
「え?でも……」
「へへっ!お揃いな!」
って自分の手を見せてやったら、ちゃんは更に喜んでくれた。
街の灯りのお陰で倍可愛く見える。
オレはバスケの関係で首から下げる形になっちまったけど……
2人の宝物ってな。
*終わり*