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タイムマシンは幸せの鍵【銀魂】

第7章 月の桂


銀時「ったく…真選組と追っかけっこする度に逃げ足ばっかり速くなりやがって」

桂を追いかけることを諦めた銀さんが足を踏み鳴らしながらこちらへやって来る。

『お、おかえりなさい…』

銀時「え?何?おかえりなさい?それはこっちの台詞だろーが、なぁさくら?」

私の顔を覗き込むその顔は正しく夜叉そのもの。

銀時「ちょっと目離した隙にいなくなりやがって」

『それは銀さんが置いてったからじゃ…』

私の抗議にバツの悪そうな顔をする銀さん。

銀時「…何にしても!ひょっこり帰ってきやがって!俺がどんだけ心配したか分かってんのか!?」

『え…』

銀時「あ"?」

思わず耳を疑った。
"俺がどんだけ心配したか"?

『心配…してくれたの?』

銀時「…っ」

銀さんの鬼のような顔が真っ赤に染まる。

『今も…探してくれてたの?』

銀時「バカお前ちげーよ!これはアレだ!…何だ!切らしてたいちご牛乳を買いに行ってただけだ!」

『手ぶらじゃん。しかも汗だくで…?』

銀時「どこのコンビニ行っても売ってなかったんだよ!」

んなわけねーだろ。

子どもみたいに膨れる銀さん。

『ふふ』

銀時「何だよっ!」

何か…可愛い。

『何でもないよ。ほら、やっと全員揃ったんだからご飯にしよ!』

銀時「オイ、引っ張んじゃねェよ!」

私は、銀さんの着流しの袖を引っ張りながら、桂の言葉を思い出した。


「意地を張る所も、素直じゃない所も瓜二つだ」


確かにそうかもしれない。

探してくれたことを言わない銀さんも、
ありがとうの一言も言えない私も、


意地っ張りで素直じゃないみたいだ
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