第1章 全ての始まり
比較的平和なこの流魂街の地区の、まぁまぁ平凡でありながら幸せな家庭を築いていた家族に、悲劇が起きた。
「おかぁさん…おとうさん?おにーちゃん…?」
その家族の末っ子が近所の子供との遊びから帰ると、家の中は異変という異変に包まれていた。
荒れた室内と…倒れこむ、両親と兄の姿が目に入った。
「やだ…やだよぅ、起きて……」
兄の身体を揺すると、それが合図だったかのように、三人の身体は霊子となり…消え去った。
高い霊力を持つ一家であり、
その中で一番霊力が高かった末っ子の少女は………
「いやぁぁぁぁああっっ」
絶叫した。
高い霊力が更に飛び上がり、周りのものを震撼させる。
目の前で起こったものを、拒絶するかのように叫び、喚き、吠えた。
「大丈夫…かい?」
そんな憎悪が混じった霊力を感じ、やってきたのは…
黒の着物が象徴な死神の、藍染惣右介だった。
「あ"ぁぁぁぁあ‼︎」
寄ってくる藍染に対しても拒絶し、
その目からは大粒の涙を零している。
「落ち着いて…」
折角とった間合いも、藍染の一歩でなくなり、泣き叫ぶ少女の頭に自らの手を翳した。
「白伏…」
それだけ呟くと、少女は白い光に包まれ目を閉じた。