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女の私の憂鬱 《黄瀬涼太》

第1章 転校生は美少年?


《黄瀬side》

体育館から出ていく氷童っちを見て放って置けず、鞄に荷物を詰め、ジャージを羽織って駆け出す。なんでなんスかね…女の子に興味なんてあんまり持った事なんてなかったのに…

「氷童っち…!」

学校の校門を出て、左右をキョロキョロと見渡す。だが、氷童っちの姿はなくどっちに行っていいか分からなかった。とりあえず、自分の家の方向に行ってみる事にした。

しばらく、走ってみるとスラリとした背中を持った氷童っちの後ろ姿が目に入った。

「氷童っちー!!」

出来る限りの声をあげて氷童っちの名前を呼んだ。…すると意外にも氷童っちは振り向いた。

「なんだ?」

追い付いて、氷童っちの顔を見れば、暗くて良く分からないが、目元が赤く腫れぼったいのであの後、泣いたんだな…とわかった。

「氷童っち…俺…良くわかんないんスけど…気になるんスよ!氷童っちの事!」

「だから、なんだ?」

「本気で俺に惚れさせるまで氷童っちの事、口説く事にしたっス!」

「はあ!?」

俺の発言にやはりと言うべきか…物凄く驚いた顔をされた。だが、それだけでそれ以上、何も言う事なく立っていた。

「氷童っち…?」

「…す、好きにすればいい!」

プイッとそっぽを向いて答えたのはそんな一言だった。なんだが、変な事になったっスけど…

「絶対、惚れさせてやるっスよ!」

「ふんっ勝手にすればいい」
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