第1章 転校生
昼休みー・・・
「なあなあみーちゃん、お弁当一緒に食べようやあ」
「お断りします」
「ええー」
結局こいつは私の隣の席になったし、授業中も教科書見せてえやあ、とか言ってきて全然集中できなかった
「ねえねえ、琥珀くん!あんな奴ほっといて私たちと一緒に食べようよ!」
聞こえてますよー
「あー、ごめん!俺、みーちゃんと食べたいねん」
「!?」
こいつ・・・クラスで一番かわいい女子の誘いを断った!?
「な、なんであの子がいいの?」
「え?だって君らみたいに可愛い子ぶってないし、下心丸出しで近寄ってこーへんし、何より君らよりかわいいからやなあ」
「っ・・・」
こいつ、馬鹿か?あーあー、泣かせちゃったよ
げっ、こっち来た!
「みーちゃん、行こ?」
覗きこまれて近づいた彼のきれいな顔に、不覚にもときめいてしまった
「断ったら、どうなるんですか?」
「警戒してんの?可愛いわあ・・・みーちゃん♪」
「ひぇっ!?」
耳を噛まれた
「な、な、何するんですかっ!」
「ええー、あんまりにも可愛かったもんやから・・・」
「っ、このお馬鹿!!!」
私は彼をビンタしたあと、一目散に教室を出た
「最悪!なんなのあいつ!?」
そして私は思い返した
「・・・なんで叩かれたのに笑ってたんだろ、あいつ」
このときまでは、あんなことが起こるとは全く予期していなかった