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るろうに剣心【東京編】

第16章 るろうに剣心【東京編】 最終話




「けどよォ、今の丸くなった左之さんもいいけど、以前の左之さんもカッコよかったよな」
「ああ〝斬左”!」

斬左……

緋村さんと左之助さんが闘った時のことを思い出した
あの頃の左之助さんは、誰も寄せ付けない空気を纏っていた
何にも満足していない、いつ爆発するかわからない、そんな状態

『私は、今の左之助さんがいいな』

私は小さな声でつぶやいた
今の左之助さんは穏やかな空気があふれていて、隣に立つのが心地いい

突き刺さる視線を感じて、ちらりと見れば、妙さんや燕ちゃん、左之助さんの友人が私を見ていた

「もしかして真愛ちゃん、左之助さんのこと……」
『ち、違います、妙さん!私、別にそんな……』
「照れなくてもええんよ!」
『いや、本当に違うんです…』

ニヤニヤと笑う妙さん達
話を聞いてほしい
私は、別に左之助さんをそういう目で見たことは一度もない
確かにかっこいいけど、恋愛感情は抱いていない

「これはこれで脈ありかもな」
「意外とな!」

左之助さんの友人が盛り上がっていて、話を聞くと
左之助さんに好きな人ができたとのこと

『へぇ。誰なんでしょうね』

空気が一瞬にして固まった
そしてその後、深いため息が店の中に充満した

「鈍感っすね、真愛さん」
「ホンマやわ。左之助さんがかわいそう」
『え?え?』

私は何もわからず、首をかしげるだけ
もしかしてみんな、左之助さんの好きな人知ってるのかな

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