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るろうに剣心【東京編】

第12章 弥彦君の闘い




翌朝

弥彦君は板切れを何枚もぶら下げ、チンピラを倒す訓練をしていた
すごくいい考えだとは思う、けど

「バカねェ。そんなの無駄よ」

薫さんは呆れたように言う

確かに薫さんの言う通りだ
弥彦君が考えたこの板切れもすごくいいと思うけど
やはり、板切れの動きと人間の動きは異なるから
これで訓練したとしてもなんの成果も得られないと思う

「子供の浅知恵ってトコね」
「ぐ…。偉そうに言って、じゃあ他に何かいい手があるってのかよ!」

言葉に詰まる薫さん
他にいい手、か
よくよく考えてみると難しいな

「なあなあ、剣心」
「おろ?」
「剣心なら何か思いつかねーか。一人で複数と闘う方法」

洗濯物を洗っている緋村さんに弥彦君は尋ねる
それに対して緋村さんは言った

走って逃げる、と

詳しく言えば
自分が逃げれば、敵は当然追いかけてくる
足の速さは個人差が出るため、速い者から順に追いついてくる
そこを振り向きざまに斬る、といったものだ

しかし、これには鍛え抜かれた脚力が必要で
まだ幼い弥彦君には少し難しいかもしれない

「要は、相手が何人いようと如何にして一対一で闘える状況に持ち込むか、そこを考えてみるでござるよ」
「一対一で闘える…状況か…」

ぼそりとつぶやく弥彦君に緋村さんは続けて言った
それは、活心剣に恥じない心得のようなもの
活心流は、人を活かす剣であることを忘れてはならない
そういった内容だった

「活心剣を振るう者は如何なる敗北も許されない。それだけは肝に銘じておくでござるよ」

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