第12章 弥彦君の闘い
三人は、弥彦君が働いている理由を知りたがっているようだ
「ねぇ、真愛は知らないの?」
『し、知らないです……』
ごめんなさい、薫さん
これだけは言えません
「お前、何か隠してるな?」
『な、にをですか?』
ニヤニヤと笑っている佐之助さんは、私の肩に腕を回す
「嘘つくのへたくそだな、お前。目ェ泳いでるぞ」
『……なんのことでしょう?』
「とぼけんな!」
『あ、仕事しなくちゃ!!』
「あ、待てよ!おい!」
魔の手から逃げ出す
脱出成功
ふぅ、危ない危ない
あやうくばれるところだった
そのあとはふだん通り、仕事をこなし
帰るときには、綺麗な夕焼け空空が広がっていた
帰ったら、ご飯の準備……はきっと緋村さんか薫さんがしているだろうから、お風呂でも入ろうかな