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【黒バス】透明な君に恋してる

第14章 彼と私の終着点



「あれは……ないだろ」

「え? あ、まぁ……ないね」

「あの彼氏は注意しないのか? 気が利かないな」

「そういう問題?」

「予定変更。俺達はジェットコースターには乗らない」

「ええ!!? 折角遊園地に来たのに定番のものに乗らないの!?」

「デートっぽいことをしようか」

「え……?」


 手を引かれ、私達は何故かメリーゴーランドに向かう。迷うことなく白い馬に飛び乗った征十郎は、私の手をしっかりと掴んで横座りにさせるように持ち上げると、自分の前に座らせた。


「思ったより高い」

「俺がいるから落ちる心配はない。これならスカートでも安全だろう?」

「メリーゴーランドとか恥ずかしいんですけどっ!?」

「テーマは王子様とお姫様」

「何言ってんの!?」


 くるくると回り始めるメリーゴーランド。最初は乗り気じゃなかった私だけど、目まぐるしく変わりゆく風景を眺めている内に楽しくなってはしゃぎ始める。


「ねぇねぇ、征十郎! このあとはコーヒーカップ行こうねっ」

「回し過ぎて気持ち悪くなるなよ?」

「わかってるよ」


 征十郎の微笑みが映って、私も口元を緩める。彼とこうして笑い合う不思議、きっと想像することなんて出来なかったと思う。

 彼とは小学生の三年生までは、わりと仲良くしていた方だった。けれど私が周りの女子にいじめられるようになってから、彼はぱったりと私と関わるのをやめてしまった。私も、幼いながらに原因が彼であることを知っていたのもあり自然と離れて行った。


 中学に上がり、少しだけ大人に近づいた私達の関係は、あの頃から止まったままだ。もう二度と進むことはないと思っていたし、このまま思い出に変わるとばかり……思っていたのに。

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