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【R18】夏だ!花火だ!夏祭りだ!

第3章 花火 ※




この静かな島にこんな喧騒が響くのは、いまだかつてあっただろうか。
まさか、あなたの弟が海軍本部を攻め落とそうとは・・・


ハヅキは天を仰いだ。


「エース・・・聞こえる? 私はいつか海に出るわ」


手の中のビブルカード。
遠く、届くはずもないあなたに、“鼓動”を伝えるために。



「“海賊王”に会って、あなたの家族を紹介するのよ」



海賊王の兄の血を引く、この“子”を。



下腹には、命の膨らみ。
紛れもない、あの夜に愛し合った結晶が宿っている。

もし男の子なら・・・



エース。



そう名付けよう。
あなたの子は、きっと誇りに思ってくれる。


その瞬間、空に大きく花火が開いた。
それは、あの夜にエースが見せてくれた大輪の華と同じ。



“ 愛してくれて・・・・・・ありがとう!!!! ”



エースの声が聞こえた気がした。


その瞬間、手の中のビブルカードは灰となった。



「ああ・・・」


涙が溢れる。


「エース・・・あなたは私との約束を何一つ破らなかった」



食事を与えた私を、殺しはしなかった。

家に泊めた私を、犯しはしなかった。

そして・・・


私を抱いて、このお腹に命を残してくれた。
もう私はひとりじゃない。



「エース・・・愛してくれてありがとう。そして、これからも愛してる・・・ずっと」



灰になったビブルカードを、拾った小瓶に入れる。
そして、そっとキスをした。


目の前に広がる海は穏やかに。



「お前なら大丈夫だ、良い母親になれる。まあ、おれのガキだ、コイツにゃ手ェ焼くだろうが・・・」


よろしく頼むよ・・・・・・・・・



どこからか、そんな声が聞こえてくるようだった。
不敵な笑みとともに・・・




第3章 『 花火 』 Fin.







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