第3章 儚い願い
カク「シズナ…わしのこと、嫌いになってくれんかの。」
シズナ「何言ってんの。」
カク「わしはもう好かれるようなやつじゃない。いや…昔から…ずっとそうだったんじゃ。」
シズナ「じゃあカクのこと嫌い。」
カクは一度目を見開いたが
少し微笑んだ。
カク「ん。」
シズナ「だいっきらいなんだから!」
真逆の言葉を放つのはつらい。
どんどん裏腹に涙がでる。
カク「ほうか。すまんかったのう。」
シズナ「ばか!!」
しかしその言葉は聞こえていないだろう。
だってもう、横にはいないんだから。
シズナ「逃げ足は早いんだから…」