第3章 転校生
ベラはもちろん、私も真っ青な顔をして署名入りの用紙を手渡した。
「さてと、初日はどうだった?」
母親のような口調で受付係が聞いてきた。私が何も言えずにいると、ベラが
「順調でした。」
と、嘘をついた。弱々しい声だった。さすがに相手も信用していないみたいだった。
ベラと別れて、バイクのところまで行った。
(ベラ、大丈夫だったかな。泣きそうだったな。)
駐車場に行くともうほとんど車などなかった。私はさっきの出来事を振り払うようにして、バイクを走らせた。
頬に流れる一粒の涙に気付かぬふりをしながら・・・