第45章 -合鍵-(宮地清志)
「え⁈じゃ、和成くんの先輩だったの?」
宮地さんと付き合うことになってから
改めてあやめと2人で飲んだ。
あやめの彼氏の先輩が
宮地さんだったなんて…。
世間は狭いなぁ。
「うん。すみれがフラれた時、
わたしに電話してきたでしょ?
その時、和成と宮地さんも一緒でね…」
「え⁈」
「わたしが”男、紹介するっ!”
って言ったの聞いて、
宮地さんが立候補したんだよ〜♪」
ウソ…あの宮地さんが…⁈
どうしよう…ちょっと嬉しい。
あやめと和成くんと宮地さんで、
よく飲むことがあったらしい。
どうやら飲んでる時に、
度々わたしの話が出ていて、
宮地さんは2人に言ってなかったみたいだけど、
途中から2人の話に出てくる”檜原すみれ”が
会社の部下の”檜原すみれ”だと
気付いていたらしい。
「でも、いーなぁ♪あんなイケメン!
ねぇ、どんなふうに告られたの?」
「い…言わないよっ!」
宮地さんを紹介された時のことを
思い出してしまい、つい赤面してしまう。
「いーじゃん!教えてよー!
オフィスラブじゃん!憧れる〜♡
じゃあ、宮地さんてどんな感じ?
やっぱりドS(笑)?」
「ドSって…あのねぇ…」
あやめのことばに
今度は思わず苦笑いしてしまう。
たしかに、ただの部下だった時は、
ほんとにただのドSなのでは…⁈って、
思ったこともあったけど、
実際の宮地さんは…
ドSというよりはヤキモチ妬きだった。
口は悪いけど、優しくてヤキモチ妬きで…
大好き♡
あやめには内緒だけど、
そんな宮地さんがヤキモチ妬いた時のコトを
わたしは梅酒を飲みながら思い出していた。
ちょうど1週間くらい前だっけ……