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〜Mint Candy Story〜

第40章 -悪魔-(青峰大輝)


「きゃー♡青峰さん…っ♡」


夕方、打ち合わせから戻り、
オフィスの入り口に現れた彼を見て、
社員や受付の女のコたちの
感嘆のため息が漏れるのが聞こえる。


さすがに皆社会人だし、
仕事中なので、
騒ぎ立てるわけではないが、
それでも色めきだった空気は
ヒシヒシと伝わってくる。


でも、キュアノエイデス
代表取締役社長青峰大輝は、
そんな空気を気にも止めず、
無表情でエレベーターに向かう。


「やっぱりステキ♡」


「クールよね♡」


「きっともう次の
プロジェクトのコトを考えてるのよ…」


受付を横切る時、
受付の女のコたちのヒソヒソ声が
わたしの耳に届く。


いつものことだけど…
誰にもバレないように
わたしはそっとため息をつき、
青峰社長を出迎える。



誰も彼も魅了しなくたっていいのに…。



わたしは悪魔…
もとい青峰社長の1歩前を行き、
社長室行の
専用エレベーターのボタンを押す。


エレベーターがくると、
無言で乗り込む青峰社長。


わたしは、こっそり深呼吸をし、
エレベーターに乗り込み、
最上階のボタンを押し、
エレベーターのドアを閉める。


「は〜ぁっ…ったく、うっせぇ…」


ギュ…


「だぃ…社長っ‼︎」


わかってはいても、慣れない。
でも、嬉しい気持ちで胸が熱くなる。


後ろから、力強く
青峰社長に抱き締められていた。


エレベーターのドアが閉まった瞬間、
クールでステキな青峰社長は
どこにもいなくなる。


「オマエ、上行ったら、
今日も服着替えろよ?」


…フニュ。


「あっ…ゃっ…ん…」


器用にスーツのボタンを外され、
そのまま胸を触られてしまう。


「なに?感じてんの?」


「ち…ちがっ‼︎
毎日毎日いい加減にしてくださいっ‼︎」


わたしが慌てて否定すると、
青峰社長は、くるりと
わたしを自分の方に向かせ、
クイッとわたしの顎を持ち上げる。


「してほしかったんだろ?」


ニヤリと不敵な笑みを浮かべた
青峰社長は、
そのままわたしの耳朶に
唇を這わせ、
自分の唇をわたしの唇に重ねた。


…っ⁈


「なにやってんだ?行くぞ。」


最上階に着くと、
何事もなかったかのように
青峰社長はエレベーターを降りる。



あ…悪魔め〜っ‼︎

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