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〜Mint Candy Story〜

第2章 -百合-(氷室辰也)★


-氷室side-



”辰也”って呼んでほしいと言ったら、
あっけなく断られてしまった。


残念…。

ちょっと淋しいな。


ま、”辰也くん”でもいいか。



香山先輩というのは、
ゆりなの彼氏ではないらしい。


なんでだろう?
帰る前にどうしても聞きたかった。



ま、気になることは、
早めに解決させたほうがいいからな。



今は帰りの電車…


さっきよりも混んでいたので、
オレは混雑にかこつけて、
ゆりなを自分の方へ引き寄せた。


もちろん、ゆりなを
守ってあげないといけないしね。


ゆりなは照れているのか、
下を向いていてオレを見ない。

ま、たしかにちょっと近いな。



「ゆりなはどこでおりるの?
送ってくよ?」


「2つ目だけど、駅から近いし大丈夫だよ。
辰也くんが遅くなっちゃうし、
電車なくなったら大変だもん。」


下を向いていたゆりなが
やっと顔をあげた。


「でも、こんな遅くに女のコを
1人で帰すなんてできないな。」


「でも、本当に駅から近いの。
電車からも見えてるし。」



そんなことを話していたら、
あっという間に
ゆりなのおりる駅に着いていた。



「今日は色々ありがとう。
本当に嬉しかった!
辰也くんも気をつけてね。」



ゆりなはそれだけ言うと、
電車をおりた。


オレもおりようとしたが、
ゆりなが目で止めた。



それ以上しつこくしないほうがいいな。



電車をおりたゆりなは、
その場でくるりと振り返り、
ニッコリして手を振った。


電車が発車して、見えなくなるまで、
手を振ってくれていた。




それがとても可愛かった。

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