• テキストサイズ

いろいろ短編集

第4章 学園アリスに転生したらサイタマ君がいた( ゚д゚)


私は遠い昔、ヒーローやモンスターなどがいる世界に住んでいた。
そんな世界で、私は死んだ。気持ちの悪いモンスターに殺されたのだ。
死ぬ間際、力と引き換えに、髪の毛を無くしてしまった幼馴染みの禿げ頭が見えた気がした。

そして私は、アリスと呼ばれる力の存在する世界に生まれおちた。そう、生まれたのだ。
じゃあ、さっきの話はなんだったのかというと、元々私が持っていた記憶だ。俗にいう前世と言うやつなのだろう。

「あ…、サイタマ君」

この世界で重要な意味を持つアリスが、私にもあったらしく、私は今、アリス学園というアリスを学ぶための学校に転校して来た。
其処には、幼馴染みのサイタマ君もいたわけだけど。

「ん?サイタマ君と知り合い?」

と、教室まで案内してくれた先生に聞かれた。さっき自己紹介をして知ったのだけど、先生の名前は鳴海で、皆んなにナルと呼ばれているらしい。

「はい、一応」
「そうなんだ。じゃあ、席はサイタマ君の隣で!」
「はぁ、分かりました。」

こんなノリの軽い先生は、鳴海先生以外いないだろうな、とぼんやり思いつつ、言われた通りサイタマ君の隣に座った。

「じゃ、夕凪ちゃんのパートナーはサイタマ君だから、色々教えてあげてね!」

鳴海先生はそう言って、ウインクをしながら教室を出て行った。

「…サイタマ君、久しぶり」
「ん」

何を言おうか少し迷ってから、サイタマ君に話し掛けた。私の方を見たサイタマ君には、触り心地の良さそうな短い髪の毛が生えていた。

「ハゲじゃ無くなったんだね。筋トレして無いの?」
「ハゲ…。筋トレは一応してる。力も前と変わらねぇよ…」
「へー。不思議だね」

因みに、サイタマ君の言っている"前"とは、前世の事だ。
切なそうに、ハゲと呟いているサイタマ君は、軽く自分の頭を撫でていた。その様子を見ていたら、後ろの方から声を掛けられた。

「おい、転校生。お前のアリスはなんだ」
「え?」

後ろを振り向くと、黒髪の男の子が此方を睨んでいた。

「サイタマ君、あの子誰?」
「え、…………日向棗?」
「…忘れてたでしょ」

二人で、コソコソと話してたのが気に入らなかったのか、日向棗と言う男の子の眉間の皺が、より一層深くなった。

「早く答えろ!」

急に声を荒げた日向棗に、ピクリと肩が揺れる。

「あー……、変換のアリスだよ」
/ 13ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp