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闇の滅竜魔導士と盗魔眼

第5章 さらば、もう一人の友よ


「しかし王がお姉様がお兄様になるのを許すとは…少し驚きです」

「アギトが男になりたかったのは幼い頃から知っていた
 それに…実は私自身も望んでいた事なんだ」

『それは初耳だぞ いつも"女なんだから"ってうるさかったし』


ジェラールは苦笑しながら打ち明けた。


「今だから打ち明けるが…始めは妃になって欲しいと思っていたからな
 だがアースランドで旅をし、成長して思ったんだ
 もしもアギトが女のままだったら心配かけたくないからとウソを吐くのではないか…とな」


どんな怪我や心配事が起こっても大丈夫だとウソを吐くのではないかと考えたのだ。
そしてそれは一回では留まらず、傍にいる間ずっと言い続けるのではないかと思った。
例え心配かけたくないからと言っても…アギトにウソを言い続ける自分を想像して苦しくなったのだ。


『だけど俺は男になった』


アギトは強く言い、ジェラールの方を向いた。
それを見たヴィアンは二人に一礼し、ゆっくりと部屋を後にした。
空気を読んでくれたヴィアンに感謝しながら、アギトは跪き頭を下げた。








『俺は今此処に誓う


 お前の騎士として運命を共にする事を』




そう言うと、ジェラールもアギトに向かい合った。




「如何なる時でも私の傍にいてくれるか」



『はい』



「如何なる困難が待ち構えていようと、共に歩んでくれるか」



『はい』



「互いの命が尽きるまで



 俺を愛してくれるか」





アギトが顔を上げ、





『愛しております 未来永劫』





互いの視線が重なった時、





二人は幸せそうな顔をしていた。




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