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緋ノ鬼

第2章 バカには何を言っても変わらない。



「そんなに殺してぇか?」


「殺したい…それとは少し違う
私からたいせつなものを奪ったように、
私もあいつから大切なものを奪ってやりたい。」



「李鶴那……。」


「同じようにってことは、お前、神楽を殺すんだろ?」


その言葉に目を見開く私。



「前のお前なら出来ただろうが、
今のお前には絶対できねぇよ。」


銀時の言う通りだ。

以前の私なら、なんの関係もない人を殺すことは容易いことだ。

でも、神楽は、みんなは、私にとって、

すごい存在になりかけているのは確か。



「他にあるかもしれないっ」


「あいつには大切なものなんてないアルヨ…」


その言葉に頭を上げる。

そこにはすこし悲しそうな神楽がいた。


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