第5章 愛はまれに狂気となる。
「んー、弱い?」
「私が弱いからあのときも逃がしたんでしょ。」
ムカつくのよ。
私や銀時たちを見下してる。
「あー、あのとき?
あれはー、君に興味持ったんだヨ。
あの強い眼差し。」
だから生かしたんだ。
そう付け足した。
「だからさ、ほら、
僕のために強くなった。」
遠回しに僕を殺すために、
と言いたいんだろう。
ならば最初からわかってたの?
あの日逃がして、
生かして、そしたら必ずしも自分を憎み、
殺しに来るだろうと。
「あんたは…」
このひとはなんて
「悲しいひと」