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風船葛と蜉蝣と、
完結

[ID] 40269
[作者] 
[概要] 死んだ吉継に誘われるだけのお話。
[ジャンル] 二次元
[ページ数] 4
[PV数] 1368PV
[しおりの数] 1
[作品公開日] 2017-04-23
[NEW最終更新日] 2017-04-23 16:17
[拍手] 120

[ランキング]

総合 8274位 (過去最高 2622位)
昨日 6808位

[作品説明]
夢主は東軍、吉継は西軍。この立場上、互いに想いを伝える事はなく、呆気なく、空しく、合戦は収束。



———合戦の後、夢主は病を患う。
それは日毎に、有り得ない程に身体を侵していく。勿論治療を試みれば相応の費用が要るわけで……しかし、そんな迷惑をかけるくらいなら、大人しく死期を待つことを選んだ。

そしてある日、家康が彼女の許へ訪れる。時刻は宵も深まり、家人も静まっている。態々人目を忍ぶほどのことなのかと、堪らず身構えるも、掛けられた言葉は

「何か、やり残したことがあるのだろう」

そんな一言。

しかしそこには、抜け出すなら手を貸す、と。提案も含まれていた。それに気付けば、彼女の応答は一つだけ、悩む迄もない。




戦装束を纏う。関ヶ原の後にすぐ病を患ったために、何とも久しい心地であった。……些か、大きく感じるが、動く分には差し支えない。武器は目立つため、小太刀だけを携える。




———いよいよ、目標は近付いた。気遣いに感謝はするが、仔細を悟られるのは、一応、避けたい。

彼女は手引きをしてくれた家康に深々と頭を下げれば、一目散に駆け出した。


……すれ違った青年―—藤堂高虎が、微笑んでいたことには、終ぞ気付かなかった。



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