幾層にも重なった思いと数多の経験が、一人である事、誰かといる事に強さと意味を与えて行く。
人と人との繋がりを大きな軸に迸るように描かれている長く温かい作品です。
喪失に始まる二人が出会ってからの歩みは、互いを得ようとするより理解したいと理解して貰えるだろうかと、迷いながら近付き合うもどかしさ愛しさ。
迷いや悩みや救い、優しさの深さ、誰かを求める力と求め求められて生まれる意思。栗駒さんの深い愛情を感じずにいられません。
相反するものをも内包して膨らむストーリー、まだまだ展開し続ける今作品、Dグレを知らずとも十分楽しめます。私自身、そうだったのですから。
お薦めです。
[投稿者] カンバラ [投稿日] 2017-02-22 03:58