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暑中お見舞い申し上げます。


梅雨も最中の六月末、皆様如何お過ごしでしょうか。
蒸し暑くなったり肌寒くなったりの岩手からこんにちは。
カンバラと申します。

明後日には七月、いよいよ夏本番に突入しますね。第二週火曜日には夏の先陣を切る七夕が控えています。私の在郷、秋田は由利本荘の城下町周辺はこの七夕を旧暦で祝うのが習わしで、各町内の子供会が各自手作りの灯籠を手に城跡本荘公園に集まって、盛大に七夕祭りを催したものです。

精霊だぢ精霊だぢ
この灯りにじぃっことばばぁっこの
来たぁれ、来たぁれ

公園目指して練り歩く道中、振る舞い酒ならぬ振る舞いアイスやら西瓜、メロンなんかをかじりながら幼馴染みたちと歩く夕暮れの楽しかったこと。
夏はいいなー。

さて、それから随分年を経まして、今は岩手に住まう私ですが、岩手と言えば賢治先生。
独特の趣で魅力的に四季を著す賢治先生ですが、その先生の詩に種山ヶ原先駆形Aという大好きな一篇があります。種山ヶ原先駆形Aって!ええ、AというからにはBもあります。Bも好きですよ、勿論。何なら先駆形でなくとも好きです。何なんだ(笑
その中でアルペン農の夏のウヰーゼと先生が詩うのは夏の牧草地のこと。ウィーゼはドイツ語の牧草地の意。何故ここでドイツ語なのかと思いつつ、その語感が絶妙な風趣を醸すところが賢治先生の面目躍如です。
見渡す限りの眺望が開く種山ヶ原は、見事な牧草地が本当に素晴らしい。近く遠く眺めていると、その緑に目が洗われるような思いがします。
因みに種山ヶ原は星見にも最高です。何せキャンプ場の名前が種山ヶ原星座の森というくらいですから。

と、ここで本筋を持ち出してもいないのに閑話休題。

賢治先生の青色幻燈、ピックアップありがとうございます。
少し前に更新した最新章"酷寒に雪ぐ"は、ど真冬の寒さの中での賢治先生の独白ですが、よくぞこの時期に読んで下さったと感謝感激雨霰。その上ピックアップまで頂いて、申し訳ないくらいに嬉しくて有り難いことです。夏の時節に真冬をお送りしたせめてもの埋め合わせに夏の話題を持って…埋め合わせにならない?すいません。

兎にも角にも、大好きな賢治先生のお話をピックアップして下さりありがとうございました。
皆々様の元にどうか健やかで穏やかな夏が訪れますように、万感を込めて。
少し早めですが、暑中お見舞い申し上げます。

ありがとうございました。
[作成日]2020-06-29
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宮沢賢治短編作品。
[ジャンル]完全創作
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