日記※モテ転校生→千石
尾形達に出会う前の学生だった時の話し。
千石君は突然うちの学校に、
しかもうちのクラスに転校して来た。
長身にハンサムな顔、優しい声のトーンに、
自己紹介で教壇に立っただけで、
女子が色めきだった。
我が校はあいうえお順に男子が廊下側、
女子が窓際に並んだ。
千石君は男子最後部座席に座ると、
さっそく男子に話しかけていた。
どうやらフレンドリーらしい。
この学校は科目別移動もあった。
しかも成熟度で3クラスに分かれた。
その中であいうえお順、
なおかつクラス順に分かれて座る。
私はたまたま上の成熟クラスで、
いつも通りに座ると千石君が隣の席になった。
人数が少ない関係で、
男子と女子の境目が丁度私の隣列だったのだ。
千石「あ、隣、◯◯(ニックネーム)だ」
「?!」
第一声で突然のニックネームだったのでびっくりした。
千石「あははは!そんな驚くと思わなかった。
◯◯反応面白いね。
ホラ、皆がそう呼んでたからさ」
気さくな女子しか呼ばないが?!?!
「は、はぁ…」
かく言う千石君は、
もう目がハートの女子からキヨって呼ばれてた。
千石君は色々話してきてくれたが、
私は曖昧に気の抜けた返事をする。
ちょっと間が出来て、素朴な疑問を投げかけた。
「あの、千石君って、何で転校してきたの?」
ニコニコ話していた彼がビシッと固まった。
あ、地雷だった。
これ聞いちゃいけないやつ。
単純な興味本位で何の考えも無しに言ってしまった…
今の私なら直ぐごめんと言えたのに、
当時の私はミッフィー(・*・)みたいな口になり、
目線を教科書に戻して無かったことにしていた。
のちのち、
「◯◯だけは転校の理由、突っ込んで聞かなかったよね」
ってはにかんでくれたから正解ルートだったのかもしれない。
でもそう言ったら余計気になるだろ?!
と思いつつ、生涯聞けないに違いないんだろうな。
何回かこの授業で一緒になったある日。
千石「◯◯ってさー、真面目かと思ったのに
案外色々やってるんだね。
教科書の下に三國無双の資料集隠しながら
絵描いてるでしょ」
クスクス笑いながら聞いてくる
「へっ?!見てたの?!」
千石「だって面白いんだもん、百面相してて」
そのまた数日後。
千石「まーたニヤニヤボーッとしてー、
さては諸葛亮のこと考えてたでしょ」
「はっ?!」
私、両肘をついて頬に手を当て、
口が半開きだったと気づく。
横を振り向くともの凄い近くに千石君の顔があって、
頭を思いっきり後ろにそらした。
「うわぁ!」
千石君はケラケラ笑っている。
※授業開始前
あ、遊ばれてる!!!
因みに考えてたのは夏侯惇です!!
千石君とはこの授業以外ほとんど話さない。
何故なら常に(主に女子に)囲まれているから。
でも、もう1箇所だけあった。
彼が転校してきて数日後のこと。
登校時に乗る電車に鮨詰めになっていると、
ある駅で千石君がホームにいた。
あ、駅ここなんだ…
なんて思っていると、
私の最寄りドアから乗ってきた。
ゲッ、やめろ、気まずい、
私に気づくなよ〜
話しかけるなよ〜
なんて思いながら視線を外す。
私は背が低いしラッシュのもみくちゃにあっているので、
気づきにくいはずである。
千石「あ、◯◯!おはよ〜!」
だめだった。
結構離れてたのに人をかき分けて
目の前に立たれた。
でっかいなぁ
「おはよう…」
千石「フーン、この時間の電車なんだね」
「うん、まぁ」
それからめちゃくちゃ話しかけてくれたけど、
やっぱり私は曖昧に相槌を打つ。
内容も全く思い出せない。
千石君、フレンドリー過ぎる、眩し過ぎる。
揺れるたびに、駅員さんに押し込まれるたびに、
ギュウギュウと不本意に身体が
向かい合う千石君とくっつく。
はぁあ、やめれーー
何でこの向きなんだーー
私はラッシュに慣れていたので
ワカメのように身をまかすのみ。
足だってまっすぐ立てないレベル。
いつも諦めていたが、
何故転校生とこんな密着せねばならんのか。
私はゲンナリした。
次の日も千石君は同じ場所に乗ってきたが、
彼は1番高い吊り革につかまっていたので、
密着は免れた。
「いいなー、そこ届くんだね」
千石「うん、まぁね」
「私真ん中に押し込められちゃうと、
つかまるところ無いんだよねぇ」
千石「…俺につかまれば?」
「やだよ!」
千石君は笑う。
またからかわれてるな?!
それから電車に乗り遅れた日は、
何で乗ってこなかったのー?
って不満を言われたりするようになったが、
なんか昔の観月さんみたいだなと思った。
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