「先輩。今日誕生日らしいっすね」
仕事を終え、職場のあるビルのエレベーターに乗った時、一緒に乗り込んでそう声を掛けてきたのは入社2年目の後輩、ジャンだった。
「ああ、うん。もうめでたい年でもないけど……」
「めでたいですよ。
先輩の都合いい日でいいんで、メシ行きましょうよ」
俺奢りますから、と白い歯を覗かせて笑うジャン。
25を過ぎた頃から、身体……特に肌の衰えを感じずにはいられなくて、誕生日を迎えるのが恐ろしい節もあった。
でも、こうして可愛い後輩に祝ってもらえるのは素直に嬉しい。
「ありがと。
ジャン、これから暇?飲みに行こうよ」
「え、誕生日当日なのに予定ないんすか?」
「……生憎祝ってくれるような特別な人はいないから」
「そっか。それならこれから行きましょう」
こっちの不満気な声とは対照的に、ジャンは嬉しそうに顔を綻ばせた後、携帯を取り出して店を探し始める。
「ただ、酒は付き合えれませんけどいいですか?」
「え、ジャンってまだ未成年だったっけ?」
「はい。四月で二十歳です」
「二十歳かー!若いね」
褒め言葉で言ったつもりなのに、ジャンの表情はどこか寂しそうにも見えた。
……若い、は地雷だったか?
「やっとお酒飲めるようになるんだね。
って言っても、どうせもう飲んでるんでしょ?」
話題替えを試みると、ジャンは小さく笑い、携帯をポケットにしまった。
「飲んでないっすよ。
誕生日に飲むのを楽しみに我慢してるんで」
「そっか。いい子だね、ジャンは」
「先輩、またそうやって俺をガキ扱いして」
「ガキ扱いしてないよ!
ジャン、周りの同年代の子より大人じゃん。」
「……童貞ですけどね」
「え、童貞なの?!」
予想外の呟きに、思わず目を丸くする。
ジャンがそんなことを簡単に暴露してくれるとも思わなかったから、その驚きも相まって、自分の荒い声がエレベーター内に響いた。
「先輩、密室だからってそんな大声で言われると恥ずかしいんですけど」
「意外。ジャン、モテそうなのに」
発言を無視して本音を零すと、ジャンは指先でポリポリと頭を掻く。
「………童貞、嫌ですか?」
「そんなことないよ。
むしろ経験ない方が女の子からしたら嬉しいんじゃない?」
自分が初めての相手だなんて特別な感じがするじゃん、そう言い切るより先にスッと手を握られ、壁際に追いやられた。
「……ジャン?」
「じゃあ先輩への誕生日プレゼント、俺の童貞でいいですか?」
「え、」
「あ。言う順番間違えました。
俺の彼女になって、童貞貰って下さい」
そういう問題じゃないでしょ、とつっこみたいけど、顔を覆い尽くす熱と働かない頭のせいで、パクパクと口を動かす事しかできない。
「先輩の返事次第では、俺今日メシ行ける状態じゃなくなるんですけど」
「……ごはん、行きたい、けど……
冗談じゃなくて?本当に私でいいの?
私、ジャンよりずっと年上だよ?」
「年齢とか関係ないです。
入社した時から、ずっと好きでした」
エレベーター内の温度が急上昇したのか。
そう思ってしまう程に身体は熱を帯びている。
「……誕生日、おめでとうございます」
悪戯っぽく笑うジャンは彼女の腕を引き寄せ、触れるだけの優しいキスを唇に落とした。
Happy Birthday♡Dear you
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お友だちの誕生日に好きなキャラで短編夢小説を書く試み、第二弾です。
(第一弾は色々都合があって、個人的にメッセで送り付けましたw)
好きな人に好きですと告白するのも、どんくらい大好きなのかを伝えるのも苦手なので、夢小説書くことで貴女が生まれてきてくれて嬉しいの気持ちを伝えようと思い立ちました。
日々育児に追われている為、暇を見つけて30分ほどで書き上げているので低クオリティではありますが、それでも宜しければ進撃を愛する貴女の誕生日もお祝いします♡
日記コメ欄、メッセ、コミュでも受付ます!
いや、コミュメンは自分から誕生日聞きに行くかも←
祝ってもらいたいキャラ、好みのシチュエーションなどもあればお教え下さい♡
とりあえず進撃の巨人のキャラなら、リクエストがキッツ隊長であっても頑張って書きますから!←
リクエスト多かったら誕生日祝いだけの短編集作ります。
日記だと誕生日の方の名前が出せないからキャラ視点で書きにくくて( -᷅_-᷄ )
私の短編執筆訓練に付き合ってくださる進撃を愛する皆様、連絡お待ちしております(•ᵕᴗᵕ•)⁾⁾
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