自分の作品について、おはなしについて、そして自分について。なにかことばを加えるのが、とてもとても苦手です。
だから、ニュースはできうる限り簡潔に。
ずっとそうしてきました。
けれど、ニュースには書かないけれど、そっとでいいから伝えたいことがある。みたいなときに、ここがとってもいいんじゃないかとおもって。
大勢の目には触れないけれど、もしも、なにかのご縁があって覗いてくださったかたがいたなら。そのかたに、お礼の意味もこめて。
ほんとうにたいしたことではないけれど、少しだけ、零れてしまったおはなしのことを伝えられたら。
そんなことをおもって、今度から気が向いたとき、こっそりここに書いてみようかな、なんて。(実はこれすらもどきどき)
気づいてくださったあなた様に。
こころからの感謝を。
✽地球との恋の紡ぎかた✽
このおはなしのテーマ、「地球と寿命をおんなしくする恋」は、もう退会されてしまったのですが、ずっと仲よくしてくださっていた作者様とのひょんな会話がきっかけで生まれたものでした。
地球と恋の、寿命が、同じ。
衝撃でした。(基本的に頭のなかはふわふわしたお花畑状態なので)こんな、こんな素敵なこと、どうしてもおはなしにしたい……!っていう衝動。
壮大なスケールのおはなしになるので、このふたりにぴったり。だし、このふたりじゃなきゃ、ともおもいました。
そうして書き出したのが去年の秋の終わりごろ。
随分と、ほんとうに随分と苦しんだ記憶があります。特に前半は。悩んで、苦しんでいる彼のこころに、それはもう散々に振り回されました。
捉えきれなかった。書ききれなかった。
たくさん、落っことしてきてしまった。
そんなふうにおもいます。
恥を忍んで、ほんとうに忍んでいいますが、わたしは自分がいちばん、自分のおはなしのファンなんじゃないかとおもっています。
言葉にしたいことの、表したいことのほんの半分も形にならなかったとしても。たったひとり、誰のこころにもひっかからなかったとしても。
自分で書いてるから自分好みになって当たり前なのですが、ずっと前に書いたものをたまーに読み返したりすると、もういろいろ堪りません。
つまりなにがいいたいかというと、このおはなしも、彼らも、多分に漏れずだいすきなんです。
んふふ、ただの親ばかです(笑)
このふたりでは、んんそうだなあ、徹くんと彼女のじゃれ合う姿がいちばんすきです。けたけた笑いながら。もうずっとやっててほしい。
ふたりとも、自分の弱さと正面から向き合わなきゃいけない生き方をしてるから。たくさん傷つくし、弱いところを見せたくなかったり見せたかったり、元気を出してほしかったり出させてほしかったり。
きっとそういうせめぎ合いが、日々のなかに溢れてます。
でもそれを言葉にしないでも、毎日のちょっとしたじゃれ合いのなかで、埋めていくんだろうなあ。もちろん時にはピシッ!となるんだろうけれど。
一緒にご飯作ってもらいたい。彼女に彼のバレーしてる姿も見せてあげたい。こんなにかっこいいんだよって。個人的にはピノにも謝りたい。ごめんよう;;
こんな、個人的な感情だだ漏れな感じになってしまいましたが、徹と彼女の行方を見守ってくださって、こんなところまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
紫亜
❀やさしさのねっこ❀
ニュースでも触れましたが、書いていてとても楽しかったです。
今月に入ってたくさん書けるようになって、毎日毎日、「た の し い 〜〜〜〜〜!どうしよう、次どれ書こう、んあ、もうこうやって悩むことすらたのしい〜〜!」みたいな状態で、つまりいつも楽しいのですけれど。
このおはなしは、そういう意味とは別の楽しさがありました。書けてよかったです。あと、大牙くん。とてもすきです。いろいろ隠れ設定はあるのですが、割愛。
青年、がんばれ!
最後に。
いつ、わたしの文字書きライフに終わりが来るのかはわかりませんが。わたしは桜雨のこのふたりに始まり、そしていつか、このふたりに帰結します。
しあわせです。
紫亜
*人魚の背骨*
このおはなしは、1番最初にタイトルが浮かんで、そこから生まれました。
冬の夜。
澄んだ空の下の公園の、すべり台のてっぺん。
そこでの小さな小さなおはなしにしようとおもったらこうなりました。
研磨くんといえばクロが出演することが多いので、恋愛にクロが全く関与しないおはなしにしてみたいなあと。
「すき」に惑う彼らは大変可愛かったです(当社比)。
彼らには彼らの小さな肉球で、気づかないほどのささやかさで温めあうような恋をしていただきたいです。
紫亜
✽例えばきみが天使なら✽
このおはなしも、タイトルがわりと最初に浮かんだイメージだったかなあと記憶してます。なんせ書きはじめから1年も経ってしまったのでちょっと忘れちゃったけれど……
わたしはタイトルがわりと早めに決まることが多いようにおもいます。タイトルは絶対最後につける!という方にもお会いしたことがあるので、みんなそれぞれでおもしろいなあ、としみじみ。
たいていは、書きたい景色とか風景とか、モチーフからおはなしが浮かんで、その雰囲気に1番似合いそうなキャラクターを選ばせてもらうのです、けれど。
今回は、たまには普通の学園青春ラブストーリー的なのを書いてみたいなあ、っていう珍しい動機でのおはなしの書き方になりました。
そのためか、途中随分と難航してしまいました。
書きたいものが、なんだかよくわからなくなっちゃって。
書く、ってほんとうに奥が深い、とおもいます。
そういう意味で、自分自身と向き合う機会の多かったおはなしになりました。
きっと彼らは、やっぱりゆっくりながらも大きくなっていってくれるんじゃないかなあとおもいます。
紫亜
*追憶*
あまりすべてを言葉にせず、読んでくださる方におまかせ、というか、行間的なところから感じていただけたらなあという願望というか、そういうスタイルが好みというか、そんなのがいつも根底にあるのですけれど……今回は内容が内容だったので、かなり意図的に濁しながら書いてしまいました。
行動原理をはっきり書いていないので、ひとによっては「?????」で終わってしまったり、後味が悪いだけかもしれません。
彼女が赤葦くんと2度目以降も逢うことにした理由とか。
なぜ、その日々を【愛おしい】と表情するのか、とか。
どうしてあの告白の日で終わりにしたり、それか壊れる日まで過ごすことをしないで、わざわざ石段の1日を設けたのか、とか。
なんで赤葦くんは、彼女のおでかけ提案を受け入れ、その日で最後にしたのか、とか。
ここで、わたしが考える彼らの心情を書こうかとも考えたのですけれど。なんだか彼らから違う!といわれてしまいそうなので、それもやめました。
今回はいつにも増してすごく力不足を痛感しました……でも、大切に書きました。(わたしにとっての)宝物みたいなおはなしがまたひとつ書けたなあ、と、恥ずかしげもなく充足感は感じています。
彼らの壊れてしまいそうにきらきらした日々に触れられて、しあわせでした。
紫亜
*おひさまのいろはどんないろ*
おひさまであふれた休日って、ほんとうに素敵ですよね。そんな日のひとまきです。
いつも、ヒロインちゃんを美しかったり綺麗だったり、なんだかどこか遠くにいる、みたいなイメージで書くことが多くて(気づいたらそうなってる)。
でも今回は、その対象はどちらかというと大地さんです。
おひさまでいっぱいの大地さんから、ぽろぽろと光の粒が落ちてくるところが個人的にすきです。その粒についての描写で1ページくらいあったのですけど、あまりにもくどくて全部やめました。
でも、そういうところを書くのがほんとうにすきです。
紫亜
*そのひと、*
このおはなしは、珍しく風景とか季節とか、そういう描写がほとんどありません。会話を主にして進めていくことがあまりないので、なんだか慣れず難しかったです。
いつも風景ばっかりくどいかなあ、とおもって、たまには違う感じもいいかなあ、なんておもって。
ヒロインちゃんは蛍くんのことがすきなのかな。どうなのかな。そこはどっちでもいいな~って書いたのでわたしにもわかりません。
個人的には蛍くんをすきであってほしいな。
っていう願望があったので、ヒロインちゃんから他愛もないメッセージを送る、って関わりをにおわせる感じで書いてみました。でも真相はわかりません。
それはそうと、早朝、教室に一番乗りしたときとか、教室に誰かとふたりっきりのときとか。あのなんともいえない特別感。いいですよね。
そこはもう少し上手に書けたらよかったのにな。
紫亜
*坂を転がるピアスみたいに*
ニュースでも触れたのですが、冒頭の、風を追いかけるリエーフくんを書きたくて書き始めました。
たしか(?)、そのシチュエーションを書きたくて書きたくて、どの子が似合うかな~と考えていたら、いつの間にかリエーフくんにお願いする形になっていたような気がします。たしか。
初夏の、あの青空と。空気と。
そんな特別感に包まれたおはなしにしたかったのに、なんだか大切なひとを失ってしまった女の子のおはなしの部分が大半を占めてしまいました。
なので夏のおはなしはまた来年リベンジしようとおもいます。
リエーフくん。今なら、君の目にも風が見えるかもしれないね。
紫亜