ああ、──生きている音がする。
そう、思います。
わたしはこのおはなしの原作をほとんど知りません。彼らがどのようなキャラクターなのかもわかりません。
しかし、おちゃちゃ様の文字のなかで確かに鼓動を刻み、息をして、生きている。そう思わせられる世界が、鮮やかに、豊かに描かれています。
細やかな描写。
ありありと浮かび上がる情景。
ぎゅっと切なくなる機微。
その時代、その世界に迷い込んだような錯覚。そのまま抜け出せなくてもいいな、と思える心地よい文字のかたち。
ぜひ、お手に取ってみてください。
[投稿者] 紫亜
[投稿日] 2020-07-25 10:15