第5章 グイグイ系女子:日向
オレがこの世で愛しているのはバスケと戦国武将!
だった。前までな。
「お邪魔します」
「おう、綺麗な部屋じゃねーけどな」
「十分綺麗だよ~あ、早速……伊達正宗のフィギュア」
オレと付き合ってから歴史、特に戦国時代のことに興味を持つようになったらしい。
「あ、この人は上杉謙信!」
「ちげぇ、武田信玄だ! 敵同士で間違えんじゃねぇ ! ! 」
「あれ? ごめん」
ったくこれだから素人は……。
「兜を見ろ、全然違うだろ。武田信玄の兜は諏訪法性兜って言われてる」
「U字型のやつか」
ふむふむ、と相槌を打ちながら聞いてくれる。
嬉しい。
「あぁ。対して上杉謙信のは、こういう……」
「テストの答案でミスしたときにつけられるシャッだね」
「バカにしてんのか!」
「してないよ!」
日本史が苦手ながらも、ここまで覚えてきた。
オレ的にはまだまだ足りねぇけどな。