第40章 照れ系女子:高尾
ちょうど時間帯的にもいい感じで、オレンジがかった空が向こうに見えてる。
はオレを案内するように手を引っ張って歩く。
普段オレが案内すること多かったから、なんか新鮮だな。
の後ろ姿見ながら歩くこともあんまないし。
「ここだよ」
「うわっ……すげー……」
ちょっと感想がありきたりすぎるけど、ほんとすげぇ。
夕日ってこんなにでかいのかよ。
なんかの映画に出てきそうな場所だなここ。
が近くの木のそばに座った。いつもこうしてんのか。
オレもその隣に座った。座ってても景色が良く見える。
「ここ、滅多に人来なくて静かだから、一人になりたい時にいいの」
「そっか、いい場所だな」
「ここに和成連れてきたかったの。喜んでもらえたかな?」
「うん、すっげぇいい場所じゃん! オレも好き」
がふふっと嬉しそうに微笑んだ。
なんつーか、愛しいって、こういうことだよな。