第35章 奉仕系女子:木吉〈続・花札系女子〉
「ただいまー」
玄関のドアを開けるとふわっといい香りがした。
今日は鍋かな? 最近寒いもんな。
美味しそうだ。
いや、が作るものはいつも美味しいから、“今日も美味しいんだな”、だ。
靴を脱ぎ終わったところでが出てきた。
「お帰りなさい、遅かったね」
「そうか? いつもより早くに会社出てきたんだけどなぁ」
晩ご飯を作るのに忙しいだろうに、急いで出てきてくれた。
いつも笑顔で出迎えてくれるのが本当に嬉しいし、癒しだ。
すぐに家着に着替えて、オレも手伝った。
「疲れてるでしょ、いいのに」って気を遣われたけど、疲れてたってコップや飲み物の準備くらいできるさ。
少しのことでも手伝いたいんだ。
この寒い季節にキムチ鍋は最高に美味しそうで。
お揃いの箸と皿とコップと……お揃いの物が多くなったな。