第31章 男子系女子:実渕
はまたお弁当を食べ始めた。
改めて見ると、顔も体つきも女の子なのよね。
手も肩幅も小さいし。
男が守りたくなる気持ち、少しわかるわ。
「ごちそうさま! うまかった!」
「お粗末様、喜んでもらえて良かったわ」
「……毎日、玲央のご飯食べれたらなぁ」
えっ ! ?
なによその……ちゃっかりプロポーズ。
毎日……か。いいわね。
そう出来たら、何にも勝って素敵でしょうね。
何度か夢見てたこともあったわ、そう言えば。
しばらくバスケで忙しくて頭から離れてたけど。
「言ってくれれば、毎日でも作るわよ?」
「マジ ! ? あ、でも玲央はバスケとかで忙しだろ……?」
「いいのよ、あなたのためと思ったら、何でも出来るわ」
恋する乙女の強み、よね。
……誰よ今「誰が乙女だ」って言ったの!
が嬉しそうに笑って、抱きついてきた。
そして、そっと短いキス。
笑顔だけでも十分な原動力になるのに、キスなんて尚更。
ほんと、ズルイ子。
~End~