第26章 待ちわび系女子:笠松
「幸さん……キスしてくれませんか?」
「ばっ! んなハズいこと出来っかよ!」
「お願いします……」
何も出来ないオレ。
今まで手を繋いできたのも、キスしてきたのも全部から。
女にも恋愛にも不馴れで苦手だから……つい避けていた。
わかってた。
オレからも行動を起こすべきだ……何度も思ったし、周りからもよく言われた。
「幸さん……」
「待て、顔近い! 少し離れろ!」
「ねぇ、私のこと嫌い……?」
「そんなんじゃ、ねぇよ」
そんな悲しそうな顔すんな。
お前のことは好きだ。
って、言葉にして言えばいいのに。
いつも「好き」に「オレもだ」と答えてただけ。
自分からは何一つしてない。
わかってはいるが……。
「おかしいな、これで男性はコロッといくってネットにあったのに
「森山化すんな!」
何だコイツ!
悩んでたのがバカみてぇじゃねぇか……。
いや今さらだろ、コイツはこういうヤツで、わかってて好きになったんだ。
待て今そんなこと言ってる場合じゃ……。
はぁ、何をやってるんだオレは……。