第12章 vs秀徳
誠凛の控え室は誰も喋ろうとせず、静まり返っていた
黒子とだけは一緒にビデオを見ていた
伊月「黒子とちゃんは何してんの?」
『前半にビデオ撮っといたんで』
黒「高尾君対策を…」
伊月「‼︎ 何か勝算あるのか?」
黒「え? さあ」
伊月「は?」汗
黒「“勝ちたい”とは考えます。けど“勝てるかどうか”とは考えたことないです」
『それにまだ終わった訳じゃないんですよ? なのに皆さん暗すぎです‼︎』
全員「「‼︎‼︎」」
リコ(この子、アイツと同じこと言ってる)
黒「試合終了のブザーが鳴るまではとにかく自分の出来ることを全てやりたいです」
日向(後輩に気付かされるとはな…)
「とにかく最後まで走って結果は出てから考えりゃいーか‼︎‼︎ よしっ、行くぞっ‼︎‼︎」
全員「「おお‼︎‼︎」」
控え室を出る前、は火神に話しかけた
『大我……?』
火神「あ?」
『っ… 大丈夫……?』ビクッ
火神「あぁ。絶対ェ勝つ」
そう言う火神は、いつもと雰囲気がまるで違った
(大我のこの目はあの頃の“皆”と似てる…)
はその火神の異様な雰囲気に不安を覚えつつも、試合会場へ向かった