第1章 はじめまして
夕日をみて柄にもなくセンチメート………センチメンタルな気持ちになった。
許してもらえてよかった、か。
夕日ってこんなに綺麗だったんだな。
なんて考えながら夕日を背に帰路へついた。
「にしてもあのガキ…」
『ガキじゃありません。なるです』
「……ぁあ……なる…はぁ、厄介だな。騒がしい」
『清くん子供苦手だもんね』
「まぁでも怒鳴ってしまったのは大人気無いとは思った……」
『……そうね、こどんに怒鳴っていいのは本当に悪いことした時だけ。島にゃちぃさかこどんがまだおるけん、みーんないい子ばっかよ。ま、元気が過ぎる時もあるけんね』
「なぁ、今までずっとスルーしてきたけどお前こっち帰ってきてから突然訛りだしたな。今半分くらいわかんなかったぞ。東京じゃ標準語だったじゃんか」
『そら、故郷帰ってきたら訛りだって出てきちゃうでしょーよ』
「…………ほんとにここで暮らしてくんだよな」
『人の故郷悪くゆうなよ』
「言ってない。馴染める気がしないだけだよ」
『馴染もうと努力せんでも、気付いたら嫌でも馴染んどるよ。大丈夫、清舟には私が居るからさ』
「……。俺今日で2度ほどお前にキュンとしたよ」
『はぁ?なにいってんの』
すげぇな、七ツ岳郷。
ここで、しばらく暮らすのか…
親父に言われた人として欠けてるものってのがわかるまでは……スローライフといきますか。