第2章 夏の日差し 赤葦 京治
夏の日差し。
大嫌いなんだけど、彼女の顔を照らす光は凄く綺麗で美しくて。
手の内に収めて、俺だけのものにしたくなるほどに。
「貴方が好きです。」
「え…」
俺は立ち上がって彼女の方を向く。
赤い顔した貴方も綺麗だと思ってしまう。
「大好きですよ。椿さんのことが。」
そう言って軽く笑ってみせる。
教室に戻るために立ち去ろうとすると
「ありがとう。」
「京治君のこと、私も好きだよ。」
振り返ると頬を赤く染め上げ、最高の笑顔で笑う彼女が居た。
貴方って人は…本当に…
「大好きです。ずっと俺と居てくれますか?」
「もちろんだよ。」
俺はこれほど嬉しいことは生まれて初めてかもしれない。
大好きな彼女が、俺の腕の中にいるのだから。