第17章 別れを告げる前に
山本先輩が死んだ。
私にはその言葉を理解するのは難しかった。
さっきまでそばにいた、山本先輩が死ぬはずなんて、
そんなわけない。そんな気持ちだった。
兄と病院へ行くと、そこには、
すでに息絶えた山本先輩の姿があった。
すぐに駆け寄って、名前を呼んでみる…。
返事はなかった。
溢れ出した想いが止まらなくなる。
「先輩が好き!だから…戻ってきてよ…。」
先輩が戻ってくることは絶対にない。
こうなったのは全て私の責任だ。
だから、山本先輩のところへ行きますね。
あなたのすぐそばで愛してもらいたい。
これは、私の、最初で最後の恋だから。