第10章 最期のトキ
ゆきside
潤くんは、ずっと、
孤独だったんだね。
でも、
雅紀くんに出会って、
一人じゃなくなった。
ベッドで眠る
潤くんの髪を撫でる。
潤:「…ん…ゆき…」
ゆき:「潤ッ…」
雅:「…潤ッ…先生、呼んでくるからな…ッ…」
潤:「…待ってッ…もう、いいんだッ…」
雅:「…え?」
潤:「…もう、いい…」
ゆき:「…なに、言ってるの…先生に、楽にしてもらおう?ね?」
潤:「…これ以上…苦しみたくない…」
雅:「…ダメ…ダメだよ…ッ…」
潤:「…ゆき…大好き。愛してる…。」
ゆき:「…私もだよ…ッ…潤ッ…」
潤:「…ありがと───」
ピーーー
潤の命の終わりを告げる
音が悲しく響きわたった