第9章 1週間の恋人
ゆきside
潤:「…ゆき…退院おめでとう。…ほんとは、出口で見送りたかったのに、ごめんねっ…」
ゆき:「…そんなこと気にしないで。…熱だって、高いんでしょ?仕方ないよ。…明日から、毎日来るからね。」
潤:「…うん。ありがとうっ…」
熱で真っ赤になった顔で笑う。
ゆき:「…じゃぁ、また、明日ね。」
病室を出ると、翔にぃがいた。
翔:「…告白うまくいった?」
ゆき:「…フラれた…と思ったら、1週間だけ付き合って言われた。」
翔:「…1週間?」
ゆき:「…何でだろ…」
翔:「…そ、そうだな…」
ほんとは、分かってたのかもしれない。
“1週間”の意味を。
隣に居た、
翔にぃも、きっと
分かっている。
潤くんに、残された時間は
あと、僅かだってこと。
それがあと、1週間だってこと。
全部、わかってた───
ただ、認めたくないだけなんだ──