第25章 激戦の末
黒尾side
何となく、こいつが消えてしまいそうな気がした
昔、俺らがまだガキの頃
いつもの場所で研磨と葵でバレーをしていた
でも、この日ははしゃぎ過ぎた
葵は苦しそうに咳き込み出し倒れてしまった
過呼吸で苦しそうに顔を歪める葵を見て俺と研磨は焦った
孤爪
「葵!
大丈夫っ!?
クロ……どうしようっ」
目の前の状況についていけなかった
葵が倒れて、苦しそうで、もしかしたらーーー
って頭によぎった
黒尾
「っ………
きゅ、救急車だ!
研磨!!救急車呼べ!!!
俺はおじさんとおばさん呼んでくるから!」
孤爪
「え、でも………
葵を1人、ここに置いていくの?」
黒尾
「!
じゃあ、俺がどっちも呼んでくるから
研磨は葵を頼む」
孤爪
「うん わかった」
その後、葵は入院した
その時にこいつの体に起こっている不運を俺達は初めて知った
あと一歩でも遅れてしまえば消えてしまう
まるで、花のように
強風に吹かれて花びらを散らせてしまうように
怖かった
そして、俺は思った
"葵を失いたくねぇ"
と。
今居る目の前の葵は消えてしまうんじゃないかって思った
そしたら体が勝手に葵を抱きしめていた