第23章 SIDEの自分
ー幼少期ー
黒尾
「そァッ」ぶぅーん!
孤爪
「!?」
葵
「!!?」
研磨が上げたトスが
無念にも落ちていく
黒尾
「………」
葵
「もったいなーい!!」
孤爪
「……クロ 今のなに」
黒尾
「"一人時間差"!
昨日テレビの試合でやってんの見た!」
葵
「なんかかっこいいー!!」
黒尾
「だろ!
こう ジャンプすると見せかけて一回止まって
ブロックにフェイントかけてから打つ!
ピタッ からの ばっつって!」
葵
「おおー!」キラキラ
孤爪
「何それ よくわかんない」
葵
「ピタッからのばっ
だよ!」
孤爪
「………
テレビで試合見る度 新しい技やろうとすんのやめてよ……」
黒尾
「何言ってんだ!
今から沢山練習してなァ
他の奴らにできないこと 俺達が 一番にできるようになるんだ!」
「今 使えない攻撃技だって
今から沢山練習してれば
高校生くらいには きっと、
俺達の立派な必殺技のひとつになってるぜ!」
葵
「………じゃあ、もし対戦するような時があったら
私が、一番に止める!」
孤爪
「そんな時、あるの」
黒尾
「まあ、男子と女子で戦うなんてねーもんな」
葵
「そんなのわかんないでしょっ!!」ムー
黒尾
「まあ、そうだな
じゃあ、そういう時がきたら
楽しみにしてるわ」ニッ
孤爪
「………」
葵
「うん!絶対止めるっ」
黒尾
「じゃ、約束な」
小指を絡める
葵
「ゆーびきり げんまん
ウソついたらはりせんぼんのーます!
ゆびきったー♬」