第13章 エースの復活
しばらくの沈黙の後、菅原さんが歩み出す
葵
「菅原さん……!」
田中
「スガさん!?」
影山
「……俺に譲るとかじゃないですよね
菅原さんが退いて俺が繰り上げ……みたいの
ゴメンですよ」
菅原さんは少し黙ってから、バスの中で話したような、自分自身の心にひっかかっていたものを話し始めた
菅原さん
「俺のトスで またスパイカーが何度もブロックに捕まるのが恐くて
圧倒的な実力の影山の陰に隠れて
……安心……してたんだ……!」
俯き、苦しそうな声でそう言った
葵
(菅原さん、今までずっと抱えてきたんだ
私、気づかなかった……)
菅原さんは、今度は顔を上げてまっすぐ旭さんを見据える
「もう一回、俺にトス上げさせてくれ
旭」
その声は、決意と覚悟で溢れていた
旭さんは、そんな菅原さんを見て、たじろぐ
菅原さん
「負けないからな」
影山に告げた菅原さんの顔は、やる気で満ちていた
影山も、「俺もっス」と応えた
横にいる日向が
「アサヒさん来たな!な!」
と影山に言う
影山は
「ああ
とりあえずな」
と言った
日向
「津田はアサヒさん見るの、初めてだよな!」
葵
「いや、僕はこれで2度目だ」
日向
「え!?いつ会ったんだ?」
葵
「この前、僕が途中で抜けだした時」
日向
「???」
影山
「西谷さんに、レシーブ教えてもらったときだよ
バカ」
日向
「な!!バカじゃねーし!!」
「それより、エースと対決っ!」
そわそわし始める日向