第3章 1日目
「……というわけや!さあ、次は誰や~?」
やっと気が済んだらしい。
やっぱり長かった……。
「もう終わりましたよ」(鉄)
「なんやて!」
「先生がグチグチ言ってる間に終わっちゃいましたよ。相変わらず長いですね~(笑)」
ちなみに、これを言ったのはあたしである。
まあ、いつも通りの光景だ。
「そんなこんよりなー」
スルーされるのも、いつものことだ。
「今日は右近のために時間あげるけぇ、学校紹介したってや。そこでポカンとしてるけぇ、誘ってきい」
「それじゃ私が」「じゃあうちが」「……行ってらっしゃ~い」
『そこはノるもんでしょ!?』
「ほへ~?あっじゃあ、あたしが!」
『どうぞどうぞ、ってもう話しかけてるー!!』
驚いてる(理由は不明)二匹は放っといて右近に話しかける。
「んじゃ行こーよ。ほら、なんか先生丸くなってきちゃったし」
「あの、それはどういう……」
「細かいことはいーの!さっさと行こ~!」
「はあ… 」
とまぁ、半ば無理矢理右近を連れて学校内を見て回った。
「あんね~、まず今いる階からね~。ここは、7、8年生のクラスが並んでんだよ~。2組から覗いてこっか~」
『置いてくなー!!』
鉄華とかぐやがダッシュで追いかけてきた。
「あれ~?遅かったね~♪」
「遅かったね~じゃないよ!なにサラッと置いてってんだよ!」
とめちゃ怒る鉄華。
「タマちゃんひどい……よょょ」
わざとらしく嘆くかぐや。
「置いてったぐらいで嘆くとか……プッ」
「……タマちゃん……(怒)」
「すんません、あたしが悪かったです!」
鉄華はともかく、かぐやがあんな顔で怒るとは思わなかった……。
さすが、ヤクザの若頭……怒らせると怖い。